まだ、東京に住んでいた頃バイトしていた自然食品の店で仕入れる洗剤を決める話合いの時に、社長に言われた事。
琵琶湖をきれいにする運動で皆が一斉に純石鹸を使ったら、湖に溜まった石鹸かすが問題になった事。
都会で、泥付き野菜を買う人がどんどん増えたら、大量のドロで下水道はどうなる?
当時の私はモチロン純石鹸が良かったけれど、結局仕入れたのは、石鹸率が高めの外国産の分解が早い洗剤になった。
何も言えなくて歯痒い思いをしたのを覚えている。
山の中で暮らした時、電気も水道もなかった。
とても美しくスペシャルな所だった。
私たちのできる限り自然に負担をかけないように暮らせると思っていた。
乾物と畑があれば、冷蔵庫なんて必要ない。
洗濯物は、空気がきれいだからザブザブぶ洗えば水だけでも割ときれいになる。
だけど、人がモノを持ち込むこと、山に畑を作ること、更には人間の存在自体が迷惑なんだなぁと感じ始めた。
残念だけど、汚さなければ、いいというものではないらしい。
その頃、知人に山暮らしのブログについて言われた事がある。
楽しそうで、楽そうなブログを読んだ人が山にたくさん住み始めたら、島の人が住みにくくなるから止めて欲しいと。
私たちは、ただ街の人にバーチャルな感覚で読んで楽しんでもらえたらいいなぁと思って書いていたから、知人の言葉にはショックを受けた。
結局、山で感じ始めた違和感や、この美しい自然を大切にしたいという気持ちと物理的な出来事がちょうど重なって、この里山に引っ越した。
里山は自然と人が共存している所。
新たに開拓せず、昔の人が開いた土地を大事にするべきだと思う。
人には、人の住む場所があって、人が作った環境も環境。
どこにでも問題はあるけれど改善し維持していくべきだと思う。
もし、皆が都会を捨てて次々と山を切り開いて家を建てたら…。
どうなる?
クミコ